Vol.4 アンジェリコギターの改良 [投稿日:2018年11月6日]

私は1989年アンジェリコのギターを再生産するためにまず一番よくできたアンジェリコのギターをチェックしたいとジェリー・ババリーニ要求しました。すぐに娘のキャロルがギターを抱えて日本にやってきました。ギターはチャーリークリスチャンpickupのついた大変できの良いニューヨーカーモデルでした。最初の印象はボディーがやや重いと感じました。

私はそれまでにGIBSON,FENDER,YAMAHA,GRECO(IBANEZ),FERNANNDES,ARIA,ESP,
HS,ANDERSONNなど数多くのギターのインスペクションや設計、製造に関わってきましたのでその経験からアンジェリコのギターをじっくりバラシしてチェックしました。それ以前にもアンジェリコのピックギターを改造したことがありました。さらにフルアコースティックのジャズギター系のエピフォンフラワーシリーズやGIBSONsuper400やジョニースミスモデルの研究から判断して幾つかの問題点を感じ改良することにしました。

まず第一はヘッドが大きく重くギターの中心がヘッドにかなり寄っていることでした。そこでヘッドストックの分率を変えずに先端部分にかけて厚さを加減することにして重量バランスをとることにしました。ヘッドストックはギターの顔ですから長めで先端が大きいアンジェリコのアイデンティーを残したいと考えたからです。多分マンドリン職人だったアンジェリコ氏がギターの設計分率を理解していなかったためと思われます。

次にネックの形状がロッドの入れ方やロッド溝の作り方に経験がないのでかなり太めの演奏しにくい三角形状をしていたのを握りやすく直しました。 一番大変だったのは整形合板の技術がないのでトップやバックの隆起形状が経年変化で変化してしまうことでした。 単板削り出しでしたらおそらくエピフォンフラワーシリーズ、ギブソンのフルアコにはとてもかなわない木加工技術であると判断しました。 そこで単板削り出しのものと単板整形のトップとバックサイドに設計し独特のJAZZギターに仕上げました。

ピックアップは新規開発ものに、テールピースはオリジナル設計を踏襲したものに新たなローズ材のものを加えて深みのあるソフトなサウンドも出せるようにしました。 その他細かいところを修正して2年間に数本のギターをエバリエーションサンプルとしてアメリカナムショーやフランクフルトショーで展示発表しました。その結果良い評価を頂だけましたので生産にな入りました。気品のあるFホールや力木に入れ方も改良し、洗練され生音、電気ギターとしてのバランスの良い音が向上したと思っています。 さらにカラーもわたしが1970年代に古畑氏と開発した美しくモダンなシースルーのカラーを取り入れ完成したのです。


筆者:椎野 秀聰

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